食後に胸が苦しい、息苦しい感じがする…そんな症状に悩まされているのは、病気のサインかもしれません。
胸が苦しいってことは心臓病?それとも鬱?
今回は食後の胸苦しさについて、その原因や対処法をみていきましょう。
胸が苦しいのは鬱病?どうすればいいの?
胸が苦しいという症状の原因は、心臓病などの命にかかわるものから、日常的に誰にでもおこりうるものまでさまざまです。
ここでは、現代のストレス社会から誰にでもおこる可能性のある「自律神経失調症」からくる胸苦しさに焦点を絞って、ご説明していきます。
「自律神経失調症」とは正式な病名ではありません。
検査をしてもどこにも異常がみられないのに、いろいろな症状が心身にあらわれているときに「自律神経失調症」という名称がつかわれます。
たとえば、以下のような症状がよくみられるものとして挙げられます。
■慢性的な疲労やだるさ
■頭痛やめまい
■動悸や息切れ
■胃や腸の不調
■不眠
■イライラなどの精神症状
とくに原因がわからないのに、このような症状がでるという場合は、自律神経が乱れている可能性があります。
さらにこのような不快な症状が続くと「抑うつ状態」となってしまったり、進行するとうつ病になってしまうこともあるので注意が必要です。
うつ病になると、上に挙げたような自律神経失調症の症状もよくみられます。
胸が苦しいというのも、うつ病の症状としてはよくあるもののひとつなので、まずは内科や心療内科などにかかり、診断を受けることが重要です。
鬱病以外にも胸が苦しくなるのはこんな病気の可能性が!
ストレスからくる自律神経の乱れや、うつ状態・うつ病が胸苦しさの原因として多いとご説明しましたが、
中には心臓病など命にかかわる重大な病気がかくれていることもあります。
心臓の病気の中でも、とくによくみられるもののひとつに「狭心症」が挙げられます。
狭心症は、心臓の血管が何らかの原因で細くなってしまい、血流が阻害されることによって起こる一過性の虚血発作です。
狭心症では、胸がしめつけられるような痛みが症状として起こります。
人によっては痛みの自覚がなく、息苦しさに感じたり、胸の苦しさ、違和感程度に感じる人もいます。
ほおっておくと、心筋梗塞になってしまうなど命にかかわることもある病気です。
胸が苦しいという症状があるときには、違和感程度であっても一度病院を受診し検査を受けておくと安心です。
食後に胸が苦しくなるときには
胸が苦しいときにはストレスなどの精神的なものから、狭心症などの心臓病までさまざまな原因が考えられるとお伝えしました。
では、食後に胸が苦しいという場合はどうでしょうか。
こちらについては、「逆流性食道炎」の可能性が考えられます。
自律神経の乱れからも、胃腸の不調や胸苦しさが出ることがあるので、食後に胸が苦しい場合にもストレスという原因は否定できません。
しかし、そんな胸苦しさにくわえて、胸やけやすっぱいものが喉にあがってくるような感じがあるときには「逆流性食道炎」を疑ってみてもいいでしょう。
逆流性食道炎は、胃酸の逆流により食道などに炎症を起こしてしまう病気です。
かつては、高齢の人にみられる病気だといわれていましたが、今は若い人にも多くみられる病気となっています。
その原因として、食事が欧米化し、脂っこいものを食べる機会が増えたことが挙げられています。
主な症状には、胸の苦しさや吐き気、酸っぱい胃液が上がってくるほか、のどに違和感を感じたり、胸に痛みが出ることもあります。
逆流性食道炎も、ほおっておくと重症化してしまうことがありますので、胃の内視鏡検査ができる病院でしっかりと検査を受けましょう。
また、日ごろからストレスをためないようにこころがけ、食事も和食中心にするなど、逆流性食道炎にならないような生活習慣に見直すことも大切です。
まとめ
食後、胸が苦しいときは逆流性食道炎を疑い、胃の内視鏡検査を受けておくと安心です。
また、ストレスやうつ病からも胸苦しさや胃の不快感などの似た症状が出ることもあります。
そのような場合にも、まずは内科や心療内科を受診するといいでしょう。
いずれの場合も、日ごろからストレスをためないように生活していくことが、予防・改善に重要なことですので、意識してストレス発散をしていきましょう。