友人や知人の家庭で不幸があった場合に連絡の行き違いなどで弔事の対応が遅れてしまうことがあります。
もし葬式までに香典を渡せなかったら、どうすればよいのでしょうか?
あとから渡すべきか、かえって遺族の迷惑にならないか・・そんな風に悩む人は少なくありません。
葬儀後に香典を渡す方法や、いつまでに渡せばよいのかといったマナーについて調べました。
香典を渡せなかった・・こんな経験はありませんか?
葬儀に参列できず香典を渡せなかった事例としては、このようなケースが考えられます。
事例①訃報を後から聞いた場合
職場の同僚が忌引きで休んでいる時に、自分も連休をとっていた。
休み明けには葬儀が終わっており、他の近しい職員はそれぞれ葬儀に参列して香典を渡していた。
事例②手違いで葬儀に参列できなかった場合
同級生の親が亡くなったと聞いて、葬儀に参列すべきか直前まで迷っていた。
葬儀の情報があやふやで、自宅に伺ったが誰もおらず、遠方の葬儀会館で葬儀が行われたことを知った。
事例③遠方で葬儀に参列できなかった場合
海外滞在中に親戚の訃報を聞いたが数日中に帰国する目途がつかず、葬儀に間に合わなかった。
このような理由でいったんお悔みのタイミングを逃してしまうと、その後の対応をどうするべきか悩んでしまう人も多いと思います。
香典は後から渡してもいい?判断するためのポイントは?
結論から言うと、香典を葬儀後に渡すこと自体は何ら問題ありません。
「今から香典を渡すとかえって迷惑にならないか?」
「葬儀に行かなかった事をわざわざ本人に伝えるのは失礼ではないか」
と悩む人が多いですが、葬儀後に香典を渡す人は意外と多いので気にしすぎる必要はありません。
友人や知人の訃報は遺族から直接連絡が来ないことが多いので、どうしても正しい情報が行き届かず、葬儀に参列できないケースが発生するものです。
後からでもお悔みを述べて香典を差し上げれば、故人の供養になり、遺族の心労もより癒されることでしょう。
要は本人の気持ち次第です。
故人と生前親しく付き合っていた場合、過去にお見舞いやお祝いなどをして頂いた場合などは、どんなに遅くなっても香典を渡してお悔みの気持ちを伝えるべきでしょう。
ただ、遺族側から典辞退の旨を告げられている場合は無理に渡してはいけません。
香典を渡さないと判断した場合は、直接お悔みの言葉を述べるだけでも気持ちが伝わります。
香典を葬儀後に渡す方法は?
香典を葬儀後に渡す方法には次のようなものがあります。
自宅に弔問して渡す
遺族と面識がある場合は、できるだけ弔問の上で香典を渡すようにします。
ただ、葬儀後は挨拶回りや法事の準備などで忙しい時期ですので、必ず遺族の都合を聞いてから伺うのがマナーです。
弔問の際は、葬儀に参列できなかった詳しい事情などは伏せ、手短に非礼を詫びます。
香典を差し出し、霊前にお参りした後は遺族の心労をねぎらいましょう。
現金書留で送る
遺族と面識がない、葬儀から数か月過ぎているなどの事情で自宅を訪問しにくいならば、香典を郵送しても差し支えありません。
香典を郵送する際は現金書留を使います。
香典袋にお金を入れ、表書きと中袋の記入も通常通り行った上で現金書留用の封筒に入れて下さい。
また、香典を郵送する場合は必ず手紙を同封してお悔みの気持ちを伝えるようにして下さい。
職場などで渡す
同僚の家の弔事などで直接訪問しにくい場合は、職場で香典を渡すこともあるでしょう。
予め他の同僚に香典金額や渡し方をどうしたか尋ねた上で判断するようにしましょう。
香典はいつまでに渡せばいいの?
香典を渡すのが葬儀後になっても問題ありませんが、渡すタイミングによって不祝儀袋などのマナーが異なるので注意が必要です。
葬儀後~四十九日までの間
四十九日までの間は、通夜や葬儀の不祝儀袋がそのまま使えます。
表書き・・「御香典」「御霊前」など
毛筆の色・・薄墨
香典返しは四十九日の忌明け以降に行われるので、葬儀後のなるべく早い時期に香典を渡せば遺族の手間をとらせずに済みます。
四十九日以降
表書き・・「御霊前」
毛筆の色・・濃い墨
遅れて香典を渡す際は何か添えた方がいいの?
香典を遅れて渡す場合にお供えの品を添えると、より丁寧にお悔みの気持ちを伝えることができます。
例えば、葬儀の5日後に弔問する場合はお供えのお菓子を一緒に持参し、霊前に供えていただくと良いでしょう。
現金書留で香典を送る場合は手紙を添えるのがマナーですが、法要の時期に合わせて供花も送ってみてはいかがでしょうか。
この時に注意するポイントは、遅くなったからといってあまり大げさな品を贈らないようにすることです。
高価な供え物や花はかえって遺族に気を遣わせてしまいますので、2~3千円を目安に選びましょう。
まとめ
香典が遅れた場合のマナーについてまとめましたが、いかがでしたか?
一旦香典を渡すタイミングを逃してしまうと、その後の対応に困ってしまうものです。
香典を後から渡すこと自体は失礼にあたりませんので、故人や遺族との関係や時期を考慮の上で香典を渡すようにしましょう。
香典を後から渡す際は直接訪問するのが本来のマナーですが、郵送や職場で渡す方法もあります。
それぞれ注意するポイントがあるので参考にして下さいね。
香典にお供えの花などを添えるとより丁寧ですが、遺族に気を遣わせない範囲で行うことが大切です。
遺族の悲しみや心労を癒せるような心づかいをしましょう。